乳酸菌で病気予防

乳酸菌で抗うつ対策

うつの原因は脳ではなく腸?

うつ病の患者数は2014年には110万人を超えて、現在もさらに増加しており現代病の一種であるといわれています。
そして、最近の研究では我々の精神・神経状態が腸内環境によって影響されていることが報告されています。

今まで腸は我々のからだの単なる消化器官であるという認識をされていました。
実はもっと重要な臓器であり現在では「第二の脳」という位置づけになっています。
その理由としては次のようなことがあげられます。

  • 人間の誕生時に最初に作られる臓器は脳ではなく、腸であるということ
  • 腸内に全身にある毛細血管の55%が存在し、約1億個の神経細胞を持っておりこの数は脊髄・中枢神経系よりも多い(脳には150億個の神経細胞)
  • 腸は脳とは独立した神経ネットワークをもっている唯一の臓器であること
  • 神経伝達物質であるセロトニンは約90%が腸で産生されること

このように、腸内環境(腸内フローラ)によって脳とは別に精神・神経状態を左右されることがわかってきました。
過敏性腸症候群を引き起こしやすい方もうつ病などのリスクを抱えていることになります。
一方で、「腸脳相関」という言葉によって指摘されているように、脳と腸は密接な関係で結ばれており、双方向のネットワークを介して我々の生命は維持されているといわれています。

うつ病の原因となるのは神経伝達物質で幸せホルモンと呼ばれているセロトニンであり、抗うつ薬の主要成分としても使用されています。
このセロトニンが腸内において正常に分泌されていないとうつ病を引き起こします。
セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンが分解することで合成されますが、その合成を促進するのが腸内フローラにある腸内細菌なのです。
この腸内フローラの活動・バランスが崩れるとトリプトファンの分解が進まずセロトニンの合成が促進されません。
このように、セロトニンの合成を促進させようとしてトリプトファンを多く含む食品(バナナ・チーズ・納豆など)を摂取しても腸内フローラの状態が正常でないと、神経伝達物質であるセロトニンが分泌されずに自律神経失調症・うつ病などの精神疾患になり得ることがわかっています。

乳酸菌の働きによるうつ病対策

セロトニンが分泌されない腸内フローラの状態というのは、善玉菌が減少して悪玉菌が増加しているという悪循環のバランス状態であります。
この状態を正常化するためには、乳酸菌を摂取して善玉菌を増加させ、悪玉菌を減少させることが非常に重要になります。
うつ病の元凶ともいえるストレス状態のおいても同じように腸内フローラのバランスは悪くなりますので、乳酸菌の働きによって腸内バランスの正常化が可能となります。
乳酸菌がうつ病発症の原因となる腸内環境を改善することによって、間接的にうつ病対策に貢献しているということがわかります。

乳酸菌はサイコバイオテクスの一種類であるかもしれない?

最近、「サイコバイオテクス」という新語がアメリカの研究者から提唱されています。
これは人間の精神状態を変えることができる微生物のことをあらわしており、治療法の一つとしてその応用が期待されています。
アメリカの研究においては、マウスを使った実験から2種類のビフィズス菌を投与すると抗うつ薬よりもうつ病に効果があることが報告されています。
このような研究結果から、うつ病治療には副作用をもつ抗うつ薬による治療よりも腸内環境を改善する乳酸菌・ビフィズス菌の摂取による治療をメインに行うべきであるという意見を持つ専門家も増えてきています。
乳酸菌をはじめとする腸内細菌が我々の精神行動まで影響をおよぼしていることを考えると、いかに日ごろから食生活など通じて腸内環境を正常化させておくことが大切であることが認識されます。