乳酸菌で病気予防

乳酸菌でカルシウム

日本人のカルシム摂取不足

カルシウムといえば骨粗しょう症をイメージするほど、日本人の間でもカルシウムと骨の関係性は認識されています。
しかし、5年に一回厚生労働省が発表している国民栄養・健康調査の中でも日本人のカルシウム摂取量が国の定める成人の一日あたり650~700mgに対して30~40代では男女とも200mg、50~60代では170mgほど不足していることが指摘されており、過去10年間の間でもそれほど改善されていません。
これだけ多くの栄養食材・食品が世の中に出回っていて、他の栄養素・ミネラルの摂取量が改善されているにも関わらずカルシウムだけは改善されていないという現象が起きています。
日本人はカルシウムの重要性を認識していないと言われても仕方がありません。

からだの中に存在するカルシウムの99%は骨にありますが、重要なのは残りの1%の役割です。
骨以外にあるカルシウムは血液中・筋肉中・神経内に分布しております。
脳・神経がスムーズに働くように作用し、正常なホルモン分泌などに関係しています。
そしてこの1%のカルシウムのことを機能性カルシムと呼びますが、カルシウムの摂取不足により機能性カルシウムも不足し、脳が非常事態と認識して副甲状腺ホルモンを分泌します。
すると骨にあるカルシムを血液の中に運んで生命維持活動を行います。
この状態が長く続くと骨の中は空洞状態となり骨粗しょう症を引き起こすのです。

さらに悪いことに、骨から血液に運ばれたカルシムが血管の細胞の中に蓄積して動脈を硬化させ高血圧を招くことになります。
特に女性は閉経後のホルモンのバランスの崩れにより骨粗しょう症になる比率が高くなりますので注意が必要です。
このような重篤な症状を予防するためにもカルシウムの積極的な摂取が必要となります。
<乳酸菌とカルシウムとの関係> 乳酸菌は炭水化物などを発酵して消費されたブドウ糖から多くの乳酸を作りだす能力がありますが、この乳酸はカルシウムの吸収を促進する作用があることがわかりました。

一方、カルシウムを食事から摂取する時の問題点はカルシウムの吸収率が食材・食品によって大きく異なることです。
例えば、小魚類の吸収率は30~40%、野菜類では17~20%程度しかありませんが、乳製品の牛乳の吸収率は50から60%と高い値を示します。
しかし、ヨーグルトは牛乳よりも高い吸収率を示します。
その理由はヨーグルトの乳酸菌が発酵するプロセスにおいて産生される乳酸がカルシウムを一緒になり吸収効率を高める乳酸カルシウムになるからです。
また、カルシウムがからだの中でどれだけ利用されるかは食品に含まれるカルシウムとリンの比率も重要な要因です。
理想的な食品中のカルシウムとリンの比率は骨の中と同じ1:1であることがわかっています。
ヨーグルトはまさしくこの理想的な比率をもった食品なのです。
このように、乳酸菌とカルシウムを同時に摂取できる乳製品であれば骨粗しょう症の予防に効果を発揮します。
食後にカルシウムを多く含む乳製品を摂取する方がその効果を引き出す可能性があるという報告もあります。
乳酸菌が日本人のカルシウム不足を助ける救世主となることが期待されます。

乳酸菌とカルシウムの効率的な摂取方法とは

乳酸菌とカルシウムのベストパートナーとして最も簡単に取れる食品はヨーグルトです。
ヨーグルトには乳糖も含まれており、これが腸内にて善玉菌の活動のエネルギー源となり腸内環境の改善に効果的です。
しかし、現在市販されているヨーグルトには多くの種類があり、その効果もさまざまですので、自分に適しているかどうかを見極める必要があります。
さらに、摂取した乳酸菌は腸内に長期間留まることもありませんので、ある程度の試行期間を設けることをおすすめします。
ヨーグルトは一日当たり100g、できれば2回に分けて一日200gを食後に摂取します。
最低でも1週間を摂取して、自分の体調などの変化と相性を探りましょう。

ヨーグルトには腸内改善だけではなく、美肌効果・美容効果のある商品もありますので、ぜひ積極的に摂取してください。

乳酸菌の骨粗しょう症の予防効果

骨粗しょう症の予防には、乳酸菌自体も効果があることが報告されました。
2013年にアメリカのミシガン州立大学の研究で、乳酸菌の一種であるロイテリ菌を投与したマウスと投与しないマウスを比較したところ、骨の一部を分解・吸収する破骨細胞の数がロイテリ菌を投与したマウスの方が少ないことがわかりました。
このことは、乳酸菌には骨粗しょう症の予防効果がある可能性を示唆しています。
このロイテリ菌は元々腸内の炎症を抑える働きがあることから、腸内の炎症によって骨量が減少する現象を抑えて骨密度を増加させる効果も期待できます。

現在、日本人の骨折の原因は女性で50%、男性で25%は骨粗しょう症によることがわかっています。
骨粗しょう症の治療に使用される薬には副作用があることが知られていますが、今後、副作用のない治療薬に乳酸菌開発が進められることを期待します。