乳酸菌で病気予防

ストレス性睡眠障害改善効果

この発見の意味合いとは

2013年にサッポロビール株式会社と独立行政法人産業技術総合研究所尾の共同研究によって、マウスによる実験から乳酸菌の一つであるSBL88乳酸菌にストレス性睡眠障害を改善する効果があることが発表されました。
これは、世界で初めての成果ですが、驚くことにこの乳酸菌が睡眠障害の発現を増大する遺伝子にも働きかけ、睡眠障害の発現を抑えることも発見されました。
遺伝子レベルにおいてもこのことが立証されたことから、今後は人間を対象とした臨床試験が始まる予定です。
現代社会の中で多くの人が抱えているストレスが引き金となって起こる睡眠障害が手軽に摂取できる乳酸菌によって改善できれば、これほどの良薬はないといえます。
今回の発見はさらなる未知の分野での乳酸菌パワーを探り当てることが期待される序章であるといえます。

ストレス性睡眠障害の症状と発症メカニズム

実際の睡眠障害の症状には次の4つの種類があります。

*入眠困難:寝つきが悪い
*中途覚醒:夜中に目を覚ます
*早朝覚醒:早朝に目覚める
*熟眠困難:熟睡した感覚がない

いずれも睡眠の質の低下を示す症状であり、朝の目覚めも良くありません。

睡眠障害が引き起こされるのは睡眠に関係するホルモンであるメラトニンの分泌量が減少することが原因であることがわかっています。
このメラトニンは神経伝達物質の役割のもつホルモンのセロトニンと非常に深い関係があります。
昼間のセロトニン分泌量が多いと夜間のメラトニンの分泌量も増えるという相関関係があります。
従って、睡眠障害のある人はセロトニンの分泌を増加させることによって睡眠の質を高めることができます。

乳酸菌による改善効果とは

今回の発見から推測される乳酸菌の効果は次のようになります。
睡眠障害を引き起こすメラトニンの分泌量を増やすためには、セロトニンの分泌を促進する必要があります。
実は、セロトニンは腸内で産生されて90%は腸内に残り腸内環境の改善のために働きます。
そして腸内から出た10%のセロトニンは血液に入り2%が脳に運ばれます。
もし、腸内環境が悪化するとセロトニンは90%だけでは足りないためさらに多くのセロトニンを腸内に滞留させます。
その結果、脳に運ばれるセロトニン量は減少します。

一方、乳酸菌は腸内環境の正常化のために働く微生物であり、食事から摂取してもその効果は維持されます。
このことからいえるのは、腸内環境を正常化し脳内へ運ばれるセロトニン量を増やせばメラトニンの分泌量も増やすことができ、睡眠障害の改善に効果を発揮できるということです。
さらにセロトニンは神経伝達物質として自律神経の調整を行っており、セロトニンの分泌量を増やすことも自律神経のバランスを正常化することになります。
SBL88乳酸菌以外にもLガゼリ菌にも同じような効果といわれていますが、今後多くの可能性を秘めた研究が進むことが期待されます。