乳酸菌で病気予防

乳酸と乳酸菌

乳酸とはどんな物質ですか

乳酸という言葉から連想されるのは疲労に関係する物質というのが一般的に認識されていいます。
しかし、この考えは現在では間違いであることがわかっています。
乳酸は疲労物質であるということが公表されたのは、1929年にイギリスの生理学者アーチボルドビビアン・ヒルが発表した論文に記載されたからです。
彼は1922年に「筋肉中の熱発生と乳酸生成」という研究で第22回ノーベル生理学・医学賞を受賞していますので、運動により作られた乳酸が蓄積して疲労になるという彼の理論はその当時には多くの科学者に支持されていました。
その後の多くの研究の結果、乳酸は疲労物質ではなく、むしろ疲労を回復する物質であるということが共通の理解となっています。
乳酸を正しくあらわしているのが次の3項目です。

  • 運動することにより、乳酸の値は一時的に増加し、1時間ほどで元の値に戻る
  • 増加した乳酸はからだの運動エネルギーとして使用される
  • 乳酸は筋肉だけではなく脳神経における重要なエネルギー源となる

  • 乳酸は運動の直後に溜まるだけで翌日に残る筋肉痛などとは無関係であり疲労の原因ではなく、逆にからだに良いエネルギー源であるということです。
    乳酸はこのように運動によって産生されますが、もう一つ、食べ物で摂取した乳酸菌によって乳酸も作られることもわかっています。
    このように、乳酸には二つの産生経路で作られる種類があることがわかっています。

    乳酸と乳酸菌との関係とは

    乳酸菌は食べ物に含まれる炭水化物などを発酵して消費されたブドウ糖から多量の乳酸を産生する能力を持っている細菌の総称をあらわしています。
    乳酸菌によって作られた乳酸は、胃の中で分解されたのちに腸内にて善玉菌のエネルギー源として働きます。
    その結果、善玉菌を増加させるとともに腸内にある免疫組織を活性化して、免疫力を高めるからだ作りに効果を発揮します。
    このように、乳酸菌から作られる乳酸と運動によって作られる乳酸は全くの別の働きをすることがわかっており、ともに我々のからだにとっては良い働きをする物質です。
    さらに、乳酸菌は微生物という生き物ですが、乳酸は生き物ではなく全く別の物質です。

    乳酸飲料と乳酸菌飲料は違うのか

    厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」によって乳酸菌飲料は次のような定義がされています。

  • 乳などを乳酸菌又は酵母で発酵させたものを加工し、又は主要原料とした飲料(発酵乳を除く)
  • 乳酸菌数 1ml当たり100万以上

日本において、健康食品としての広く飲まれている乳酸菌飲料ですが、2010年にはじめて乳酸菌飲料の国際規格(コーデックス規格)が設定され、今まで海外で清涼飲料水として飲まれていた乳酸菌飲料も日本の規格を同じように標準化されました。
これも日本が乳酸菌の先進国であることの証明です。